映画「Dr.パルナサスの鏡」2010年01月23日 22:00

映画「Dr.パルナサスの鏡」

 映画館で見たチラシにに惹かれて前売りを買っての初日。
 
 同じ映画を見た娘との感想がけっこう違っていたのがまさにDr.の鏡。

 映像ファンタジーの見事さではともに「すごかったね、よかった」と
ほぼ一致するのに、その中で何を感じてきたかというとずいぶん違う。
見る人ごとに違う感想になる作品だ。
 
 鏡の中に入った心象に自分を重ねて見てみたり、語ろうとすると自分の今までが投影されてしまいそうな深さのある映画の構成で、もう一度見たらまた見方が違うかもしれないと思ったり。というか、もう一度みたい。
 最後近くの道標の場面、自分の今での選択がオーバーラップ。選ぶイコール「生」。映画の途中で苦笑い。それでも選ばざるを得ない。
 
 ロンドン市内の近代的な景色・殺陣もとと対比する馬車とか、ミュージカル仕立ての場面の笑いとか、細部を切ったところでもおもしろく、エンディングの「音」まで含めて、まさに劇場で見る【映画】そのもの。

 この作品は、DVD借りて自宅で見るのは良さが半減以下(もっと低い)かも。

 ゲーテ「ファウスト」、ダンテ「神曲」、「聖書」。タロットカードも、意味が深い。梯子も、蛇も・・・。
 モチーフの中にちりばめられているのが他にもたくさんあって、見つけ切れていない、または自分の中の知識が足りずにわからないところもあるのだろうけれど、自分の中のイマジネーションを刺激されたのは確か。

 ニックの立ち位置が、好み。