「あの夏に戻れなくても」を読む ― 2005年05月13日 17:30
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著者 久美沙織
光文社文庫(文庫書き下ろし)
「あの夏に戻れなくても」
2002.10.20 刊
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リストラに遭い、故郷に帰ってきた主人公が出会ったことは・・・。
20代後半の女性が主人公、なすすべもなく実家にいるが、都会では当たり前だったことがまるで違う価値観の世界がそこにはある。
母娘の葛藤があり不安があり、過去とクロスして揺れ動く心情がみごとに書かれていて、当事者じゃないのに読んでいて痛い。
今まで読んだ著者の作品はファンタジーか学園ものだったので、この作品のような等身大の物語に驚かされた。物語の中で使われる言葉の小道具(ブランド品だったりパソコンだったり)が【いま】という時をリアルに表現している。
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