「NINAGAWA十二夜」七月大歌舞伎 ― 2005年07月27日 21:41

沙翁(シェイクスピア)+歌舞伎+蜷川
十二夜 小田島雄志訳 今井豊茂脚本
初歌舞伎座なり
歌舞伎のことはよくわからないのだが、シェイクスピアは好きで読んでいたり映像化された舞台をみたりなどなじみのある作品で、このコラボレーションをきいて敷居の高かった歌舞伎座にやっと入ることのできた日でもあった。
物語を日本に置き換え、役名を変え
> 琵琶姫(ヴィイラ) 獅子丸(シザーリオ) 丸尾坊太夫(マルヴォーリオ) 大篠左大臣(オーシーノ公爵) などなど
歌舞伎役者の演じるシェイクスピアである。
翻案されていたとはいえ正統派シェイクスピア芝居の印象が強い。早変わり、踊りなど歌舞伎としての見せ場もあったのだろうが、歌舞伎を知っていたらもっと楽しめたろうと思ったのだった。NINAGAWA演出にしてはちょっと遠慮してるかな、といった感じでいくつか観た蜷川演出の作品と比べると癖が少ない。
だから面白くない、なんていうことはなくて、笑い見ほれ楽しいお芝居になっていた。言葉遊びの畳みかけも印象的である。
手に入った座席の回りが着物を召している方だったりオペラグラスしていたりイヤホンガイドしていたり、常連さんの感じ。笑いのポイントが私の(+娘の)つぼにはまったところと近くにいた方の微妙気がしたのは、方や歌舞伎ファンであり、方や沙翁ファンであることの違いだったのかもしれない。
二幕最初に獅子丸の踊りの場面があるのだが、”バレエのマイムならおよそわかるのに日本舞踊の仕草がほとんどわからない”自分が情けなく、今からでも伝統芸能に触れていきたいと思ったのだった。
このコラボレーションがなければまだ歌舞伎座に(日本の伝統芸能に)触れなかったかもしれないことを思うと、この七月大歌舞伎の企画に感謝である。
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