「SHIROH」 DVD 劇団☆新感線2005年10月30日 20:20


天草・島原の乱が舞台のロックミュージカル。
鎖国、この乱を経ての江戸徳川幕府の安定化への歴史の流れについては今更語ることもあるまい。

史実上の人物と架空の人物を合わせ紡がれた物語。ここに、二人の「SHIROH」が登場する。一人は、島原の益田四郎時貞、もう一人は、貿易船の残骸の中で父の遺した宝を守り続ける、天草のシロー。「天の御子」の皇子を待ち望む農民たち。

歌で人の心を動かす神の声を持つSHIROH(中川晃教)と、かつての自分と現実との狭間で苦しむSHIROH(上川隆也)の出会いから終局まで。時に笑いの場面も盛り込みながら3万7千人が死に至るまで、壮絶な舞台である。

音楽が言葉を越え何層にもなって覆い被さってくるようなすごさ。DVD映像ということで実際の舞台で見るのとではまた違うところもあるだろうが、ほとばしるエネルギーに圧倒される。

オリジナルミュージカル
劇団☆新感線+東宝のコラボレーション

時代劇とロックがみごとにマッチしていた。


リアルで見たかったといっても繰り言になってしまう。
アオドクロを劇団☆新感線の第一章の集大成として新しい方向に進むその一つがこの「SHIROH」でもある。この春知ったこの劇団に今更ながらのめり込んでいたりするのだった。発売されているDVDにあれこれと手を出し、まだ購入せず見ていない作品があることを喜ぼう(??)。


上川SHIROHの苦悩の表情に感情移入してしまった。この「島原・天草の乱」前後の時代は、私の中で、歴史の中でもこだわりのある時である。その分だけ「圧倒され感動したけれど、視点が第三者的に見ていた」と語る子どもと見方が違ったのはそのせいかもしれない。
借り物のDVD、発売時借りればいいと買うのを中断したのだが、やはり手に入れよう。