朧の森に棲む鬼 Lored of the Lies ― 2007年01月11日 22:15
朧の森に棲む鬼 新橋演舞場
作:中島かずき
演出:いのうえひでのり
新感染(松竹と劇団☆新感線のコラボ)
ライ 市川染五郎
キンタ 阿部サダヲ
ツナ 秋山奈津子
シュテン 真木よう子
シキブ 高田聖子
ウラベ 粟根まこと
サダミツ 小須田康人
イチノオオキミ 田山涼成
マダレ 古田新太
他
シェイクスピアのリチャード三世を下敷きに酒呑童子の世界をイメージしてというのがはじめだったとか、染五郎に完全な悪をさせてみたいといのうえさんとかずきさんの意見が一致して書かれたホンだったとか・・・・。
11日 マチネ カウントダウン公演に続く2回目の観劇
前回は3階B席左端だったが今回はS席1階センターやや右、11列目で、花道を含め全体の見切り無く、表情もかなりみることのできる位置。見えなかった仕草、演技、登場人物など比較しながら観るもリピートのおいしさではある。
比較では、前回聞き取れなかった部分の音響が改善されていた。キンタの歌の出の位置が違っていた。ライの声ちょっとかすれ気味?。など。
シキブとのあの場面での一瞬のライのためらいとか、マダレの表情とか、ライが他と話しているときのキンタの演技とか、あの都大路にさらされたあれとか、細かい部分まで作られている。
染五郎演じるのは悪である。救いも何もない後悔もしないぶっちぎりの悪人で、だまし殺し犯しのし上がり・・・・、それなのに、観ている側が応援したくなるくらい、ちょっと騙されたくなってしまうような凄味って、まさに色悪。舌先三寸でのし上がる男を見事演じきっている。
この悪の見事さを際だたせているのは周りのメンバーだ。サダヲのスコーンとした明るい軽さと動きは、後半を引き立たせている。秋山さんはすっきりとりりしく、聖子さんは情の女、田山さんのふんわりとした感じ、小須田さん・粟根さんの四天王ぶり、書いているときりがない。古田さん、微妙な位置にいる心情表現さすが貫禄だ。真木さん、実力あるメンバーの中でがんばっている。
これだけ揃ったメンバーでのいのうえ演出。本水使って、音に照明に、花道。血しぶきも派手ですねえ。最高の、に続く言葉がない。みごとに魅せてもらいました。ライやキンタの衣装も見所満載。
そうそう、座席の入り口通路に音響さんがいてあの「カーン」とか殺陣の音、舞台に合わせて生音で出しているというキーボード拝見しました。ほんとすごいです。うらかたさんあっての新感線芝居ですね。
演出最高、でもかずきさんのホンもすごい。脚本を一回目と2回目の観劇の間に読んだのだけれど本当によくできている。座付き作者としていのうえ芝居を念頭に出演者ふまえてあてがきされたものではあるのだが、この脚本で、まるで違う演出家と出演者での芝居をしたらどうなるのかと想像をふくらませたくなってしまう。
リチャード三世は役者のあこがれの役だと聞く。この「朧の森に棲む鬼」のライ役も、同様な役になる魅力がある。。
ただ、何人かの役者がこのライ役演じている姿想像すると、ここまで気持ちよく悪に徹する染とはまるで違ったものになりそうだ。それもみてみたいが、やはり、このライは染につきるか、と思ってみたり・・・・。
もう一回残っている観劇が待ち遠しい。
(追加)
9日(火)に朝日新聞に劇評が載っていた。これはべた誉め。他にもあちこち取り上げられているのかな。まだまだ残っていたチケットが見事に完売になっていることにマスコミの影響ありかとびっくりした土曜日の午後。
作:中島かずき
演出:いのうえひでのり
新感染(松竹と劇団☆新感線のコラボ)
ライ 市川染五郎
キンタ 阿部サダヲ
ツナ 秋山奈津子
シュテン 真木よう子
シキブ 高田聖子
ウラベ 粟根まこと
サダミツ 小須田康人
イチノオオキミ 田山涼成
マダレ 古田新太
他
シェイクスピアのリチャード三世を下敷きに酒呑童子の世界をイメージしてというのがはじめだったとか、染五郎に完全な悪をさせてみたいといのうえさんとかずきさんの意見が一致して書かれたホンだったとか・・・・。
11日 マチネ カウントダウン公演に続く2回目の観劇
前回は3階B席左端だったが今回はS席1階センターやや右、11列目で、花道を含め全体の見切り無く、表情もかなりみることのできる位置。見えなかった仕草、演技、登場人物など比較しながら観るもリピートのおいしさではある。
比較では、前回聞き取れなかった部分の音響が改善されていた。キンタの歌の出の位置が違っていた。ライの声ちょっとかすれ気味?。など。
シキブとのあの場面での一瞬のライのためらいとか、マダレの表情とか、ライが他と話しているときのキンタの演技とか、あの都大路にさらされたあれとか、細かい部分まで作られている。
染五郎演じるのは悪である。救いも何もない後悔もしないぶっちぎりの悪人で、だまし殺し犯しのし上がり・・・・、それなのに、観ている側が応援したくなるくらい、ちょっと騙されたくなってしまうような凄味って、まさに色悪。舌先三寸でのし上がる男を見事演じきっている。
この悪の見事さを際だたせているのは周りのメンバーだ。サダヲのスコーンとした明るい軽さと動きは、後半を引き立たせている。秋山さんはすっきりとりりしく、聖子さんは情の女、田山さんのふんわりとした感じ、小須田さん・粟根さんの四天王ぶり、書いているときりがない。古田さん、微妙な位置にいる心情表現さすが貫禄だ。真木さん、実力あるメンバーの中でがんばっている。
これだけ揃ったメンバーでのいのうえ演出。本水使って、音に照明に、花道。血しぶきも派手ですねえ。最高の、に続く言葉がない。みごとに魅せてもらいました。ライやキンタの衣装も見所満載。
そうそう、座席の入り口通路に音響さんがいてあの「カーン」とか殺陣の音、舞台に合わせて生音で出しているというキーボード拝見しました。ほんとすごいです。うらかたさんあっての新感線芝居ですね。
演出最高、でもかずきさんのホンもすごい。脚本を一回目と2回目の観劇の間に読んだのだけれど本当によくできている。座付き作者としていのうえ芝居を念頭に出演者ふまえてあてがきされたものではあるのだが、この脚本で、まるで違う演出家と出演者での芝居をしたらどうなるのかと想像をふくらませたくなってしまう。
リチャード三世は役者のあこがれの役だと聞く。この「朧の森に棲む鬼」のライ役も、同様な役になる魅力がある。。
ただ、何人かの役者がこのライ役演じている姿想像すると、ここまで気持ちよく悪に徹する染とはまるで違ったものになりそうだ。それもみてみたいが、やはり、このライは染につきるか、と思ってみたり・・・・。
もう一回残っている観劇が待ち遠しい。
(追加)
9日(火)に朝日新聞に劇評が載っていた。これはべた誉め。他にもあちこち取り上げられているのかな。まだまだ残っていたチケットが見事に完売になっていることにマスコミの影響ありかとびっくりした土曜日の午後。
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