観劇 「スウィーニー・トッド」2007年01月20日 22:40

「スウィーニー・トッド」(フリート街の悪魔の理髪師) 

原作:クリストファー・ボンド
作:ヒュー・ホィーラー
作詞・作曲:スティーヴン・ソンドハイム
演出・振付:宮本亜門

スウィーニー・トッド   市村正親
ラヴェット夫人      大竹しのぶ
トバイアス         武田真治
女乞食          キムラ緑子
ジョアンナ         ソニン
アンソニー        城田優
ターピン判事       立川三貴
ビードル          斉藤暁
ピレッリ           中西勝之


18世紀のロンドンが舞台、実在の理髪師がモデルといわれる作品、ソンドハイムの代表的ミュージカルと名高い、と聞く。

美味しいパイには謎が!?!

復讐 それは・・・


1月20日 マチネ 日生劇場 2階G列 やや下手席

悲惨な猟奇的なテーマなのに、誰にでも起こりうる悲劇が舞台の3時間の上にあったのだった。

帰路テーマ曲をリフレインで口ずさんでしまうほど曲の印象は深く、4重唱の場面や不協和音の使い方など音楽は素直に感嘆。
軽やかだからこそ壮絶さが際立つ場面多々あり(一幕最後の歌とか骨を磨きながらビーチの歌とか)どの曲も印象に残っている。

そう、これは確かにミュージカルなのだが、観劇後に同行の娘とも一致したのは「これはミュージカルではなくて芝居にしか見えない」という感想だったのだ。悪い意味ではなく、誉め言葉としての芝居、演出の宮本さんが「芝居のできる人でのこの作品」と語っているように、奥深いまでの表現は出演者の演技力によるところが大きい。

なによりも大竹さん、せりふの間の取り方表情の付け方一つで劇場内を笑わせたり、息をのませたり・・・・。かわいらしいラヴェット夫人とその行動の乖離がより際だっている。
市村さん、大竹さんのやりとりはさすがというしかない。その芝居があまりにも見事なので「芝居:演じる」ということに観る側も引きずり込まれてしまう。

他にも武田君・緑子さんの歌と演技、ソニン・城田の歌のアンサンブル、舞台映えて見応え十分。

いい芝居、観てきました。