「帝王(リーガル)の陰謀」<ファーシアの一族>を読む2005年10月15日 21:50


第一部「騎士(シヴァルリ)の息子」に続いての今作品。

山の王国でのリーガルの陰謀(継ぎの王である兄を殺しその花嫁を奪おうとするもの)を阻止したフィッツだったが、その時受けた身体の傷がなかなか治らないまま、六公国のバックキープに戻ってくる。
山の王国から嫁いだケトリッケン(継ぎの王妃)は文化の違いもあってなかなかなじめず、継ぎの王たるヴェリティも押し寄せる赤い軍団との戦いに疲れはてていた。そこに張り巡らされたリーガルの陰謀・・・。

回想なのだから主人公のフィッツが倒れるわけはなく、『後になって思えば・・・』という記述がたまに見受けられることから想像しても六公国がそれなりの歴史を刻んであろうことは想像できるのだけれど、それが信じられないくらいの緊迫感が物語の中にある。

とらえられ死にかけ商人から救い出した狼と<技>でつながったフィッツ。幼なじみの少女との愛をはぐくみながらもそれを一番に選び取ることのできないフィッツ。
フィッツはどう動くのか、公国はどうなるのか、彼を取り巻く人々は・・・、など興味つきず、じっくり味わいたいのに先も知りたいというジレンマに陥ってしまった。
下巻に入ってからはいけないと知りつつ先の方を開いては数行ずつパラパラ読み、しかしハッピイエンドのファンタジーでないので物語りの動きが読みづらくまた現時点の読書箇所に戻り、後はおとなしくページを繰った。

読み応え抜群。

「帝王(リーガル)の陰謀」<ファーシーアの一族>
 上・下巻
ロビン・ホブ 著
鍛冶靖子 訳
創元推理文庫
2005.7.15 刊

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